メディア記事
【院長ブログ】義歯(入れ歯)安定剤について
入れ歯安定剤を使う前に、知っておいてほしいこと
最近では、入れ歯安定剤(義歯安定剤)を使っている方を外来診療だけでなく、訪問診療の現場でもよく見かけるようになりました。かつては「安定剤を使うのはよくない」と考える歯科医師も多かったのですが、近年では少しずつ考え方が変わってきています。
症例によっては、安定剤を上手に使うことで、入れ歯の装着感を改善できることもあります。ただし、それはあくまで歯科医師の管理のもとで使用する場合に限ります。自己判断での使用は、かえってトラブルを招くこともあるため注意が必要です。
ここでは、義歯安定剤の種類や注意点などをわかりやすくご紹介します。
義歯安定剤にはどんな種類があるの?
入れ歯安定剤には、大きく分けて「粘着タイプ」と「密着タイプ」の2種類があります。
粘着タイプ
・粉末、クリーム、テープなどがありますが、現在主流なのはクリームタイプ。
・義歯に均一に塗りやすく、手軽に使える点が特徴です。
密着タイプ
・指や粘膜にはあまりくっつきませんが、義歯にはよく付着します。
・隙間が大きく、安定しにくい場合に効果的とされますが、2~4日使える反面、徐々に硬くなって外しにくくなることがあり、長期使用には注意が必要です。
どんなときに使うのがよい?
まず第一に、使用する前には必ず歯科医師に相談してください。
歯ぐきが大きくやせてしまっている場合や、唾液の分泌量が少ない方など、入れ歯が安定しにくい状態の方には、安定剤の使用を検討することがあります。とくに訪問診療の現場では、ご本人の健康状態や生活環境を考慮して、使用を勧めるケースもあります。
適切な使い方と注意点
安定剤を適切に使えば、入れ歯のぐらつきが減り、食事や会話がしやすくなる場合もあります。
しかし、合わない入れ歯に頼って安定剤を使い続けると、歯ぐきに負担がかかり、炎症や骨の吸収が進んでしまうことも。
長期間の使用は避け、定期的に歯科医師のチェックを受けましょう。
また、安定剤を使用している場合は、入れ歯を清潔に保つことがとても大切です。使用後はしっかり洗浄し、衛生状態を保つよう心がけましょう。